個人事業主の節税対策 5選
確定申告が終わり、ひと段落された方、多いのではないでしょうか。同時に、思ったよりも所得税が多くて困った、という方もいるかと思います。
本記事では、個人事業主が活用できる節税対策について詳しく解説します。加えて、デメリットが何かを把握した上で対策することが得策となりますので、ぜひ参考にしてみてください。
青色申告
青色申告を行うことで、以下のような税制上の優遇措置を受けることができます。
- 青色申告特別控除:最大65万円の控除が受けられる(複式簿記で記帳し、電子申告などの条件を満たす場合)。
- 赤字の繰越・繰戻:赤字を翌年以降3年間繰り越したり、前年に繰り戻して還付を受けることが可能。
青色申告を行うには、事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。ただし、以下期限を過ぎるとその年は青色申告を適用できず、翌年からの適用になりますので、提出期限にはご注意ください。
- 新規開業:開業日から2ヶ月以内
- すでに開業している:その年の3月15日までに提出
青色申告特別控除は最大65万円の控除を受けられるが、事前に青色申告承認申請書を提出する必要がある
小規模企業共済
小規模企業共済は個人事業主の退職金制度のようなもので、以下のメリットがあります。
- 積立金が将来の生活の助けになる
- 掛金は全額所得控除の対象(年間最大84万円 最大70,000円/月)
- 事業廃止時に共済金を受け取ることができる
ただし、あくまで個人事業主等の退職金制度ですので、共済金の受取は事業廃止時や65歳以上に限定されています。共済金は6か月以上の加入期間があれば、満額以上を受け取ることができますが、加入期間が20年未満(掛金納付月数240カ月未満)で任意解約したときの解約手当金は元本割れがあるため、長期的に使用しない資金を充当することをお勧めします。特に、12ヶ月未満での解約手当金は掛金が一切返戻されない点に注意を。手元のキャッシュに余裕が無い場合は、無理に節税をすることで、資金繰りが悪化する可能性があるため、負担がかからない範囲内で掛金を設定することをお勧めします。
また、掛金の受取は一括受取と分割受取の選択適用ができますが、分割受取だと「公的年金等控除」が適用されるものの所得税や住民税の対象になることから、退職所得控除の適用がある一括受取をお勧めします。
加入期間が20年未満の場合は元本割れとなるため、負担にならない範囲内で拠出する
家事按分
家事按分とは、事業とプライベートの両方で使用している費用のうち、事業に関わる部分を「経費」として計上することを指します。
例えば、自宅の一部を事務所として使用している場合、その家賃や光熱費の一部を経費として申告することができます。また、経費計上する上では算出根拠が必要となるため、使用面積や使用時間等、実態に沿った内容で経費計上してください。
具体例
- 家賃・住宅ローン利息
- 水道光熱費
- インターネット・通信費
- 車両関連
実態を元に算出根拠を持った上で、経費計上をする。
医療費控除
控医療費控除とは、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の一部を所得控除として申告できる制度です。控除対象となるのは、自分や生計を共にする家族の医療費で、通院の交通費も計上できます。また、所得税が高い人にて申告を行うことで、より節税効果が高まります。
控除額の計算式
(実際に支払った医療費 – 保険金などの補填額) – 10万円(または総所得金額の5%)= 医療費控除額(上限200万円)
対象となる医療費
- 病院や歯科での診察費・治療費
- 処方箋に基づく医薬品の購入費
- 入院費(食事代を含む)
- 通院に必要な交通費(公共交通機関のみ)
- 妊娠・出産にかかる費用(定期健診・分娩費・帝王切開など)
- 特定の介護サービスにかかる費用
対象外の支出
- 美容整形費用
- 健康診断(病気の診断に至らない場合)
- 予防接種
- ビタミン剤や健康食品
保険適用外でも控除対象となるケースがある。また、家族分の医療費・交通費を含めると、医療費額が10万円を超えやすくなるため、適用しやすくなる。
iDeCoを利用する
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で積み立てる私的年金制度です。加入者が毎月一定額を拠出し、自分で運用しながら老後資金を形成する仕組みになっていおり、個人事業主の拠出限度額は月額:最大68,000円(年間816,000円)になります。
通常、投資信託や株式の運用益には20.315%の税金がかかりますが、iDeCoの運用益は非課税であり、長期運用することで、資産が効率よく増やせることもメリットの一つ。
ただし、60歳以降でないと資金の引き出しができないため、小規模企業共済と同様に、負担がかからない範囲内で掛金を設定することをお勧めします。
また、60歳以降に年金または一時金として受取の選択適用ができ、以下税制優遇を受けることができます。
- 一時金で受取る場合:「退職所得控除」の適用
- 年金で受取る場合:「公的年金等控除」の適用
掛金全額が控除対象であり、運用益は非課税。ただし、60歳以降でないと引き出しができない。
今回、個人事業主の節税対策として5つ紹介させていただきました。
目先として、節税ができれば嬉しいですが、手元のキャッシュがなくなり負担になってしまうケースも。メリットとデメリットを天秤にかけた上で、節税対策を取り入れてみてください。
※本記事は2025年3月時点の現況に基づきます。最新の法令等とは異なる可能性がありますのでご留意ください。
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